がんばろう 熊本
2017/5/10
熊本地震の発生から1年が過ぎました。
被災した熊本では「がんばるけん!くまもとけん!」をスローガンに
復興に全力で取り組んでいるようです。
私の息子も益城町での学生、寮生活を送っております。
当然、生まれて初めて恐怖を覚えた二つの大きな地震。
タンスの下敷きになりかけ、建物からは歩行も困難な状況で
「バキッ!バキッ!」とコンクリートが割れるような音を聞きながらの避難だったそうです。
一時の避難所退避、仮設寮・仮設の校舎での学園生活が1年近く続きました。
大型連休で帰省するとのことで久しぶりに熊本へ向かいました。
通り沿いの店舗など復旧・改修され多くのお客さんが戻っている中、
まだまだ復旧中、手付かずの建物や明らかに生活、建物があっただろう整地された土地も目に入ります。
そして近隣の田畑かと思います。仮設住宅が建設され多くの方が生活されています。
「がんばれ 熊本」 ではなく、被災しながらも復興に取り組み、
また多方面からも多彩な多くの支援など皆で共に復興してゆく
の合言葉だと思います。
微力ではありますが、その一員となり、何が出来るかを見つけながら応援・支援したいと思います。
業務に於いては、福岡市営住宅の耐震補強の業務を毎年、本年度で3棟目を行っております。
新耐震基準以前の中高層の市営住宅で、築40年前後の建物になります。
補強計画として、住民の方の日々の生活を送りながらの補強、
現在の住環境を損なわない補強。景観への影響。など、考慮し、
プレキャストコンクリートでのアウトフレーム工法での計画・実施を行っています。
工事内容としては、住民の皆さまが生活を行っている「居ながら工事」となるため、
騒音・振動・粉塵・異臭など低減する工法での施工となります。
補強フレームは工場製作となるため現場では組立工事となります。
また、補強フレームの接続にはあと施工アンカーによりますが、
サイレントアンカーの採用、また、削孔・打設を減少するため
特殊なあと施工アンカーの採用しています。
これにより騒音・振動・粉塵の軽減と施工期間の大幅な短縮が可能となり、
住民の皆さまへの負担を軽減しております。
補強後も接続スラブを利用し廊下・バルコニーなど拡張し、
フレームによる閉塞感をカバーしてます。
今後も公営住宅だけではなく、民間のアパート・マンションの耐震補強も必要となっていくと思います。
アウトフレーム工法での補強に於いては「増築」となるため
既存を含め現行法に適合しなければなりません。
耐震改修促進法による、認定申請の手続きによりお施主様の負担軽減になります。
いつどこで起こるか不安な大地震。
地震に強い建物。地震に強くなる建物。
新築業務だけではなく、耐震の補強・大規模外壁改修・リフォーム・リノベーションなど、
今ある建物を維持・存続してゆく提案も設計者としては必要な業務だと思いながら
次の耐震補強の設計を今も行っています。
△進行中の耐震補強計画図です。
設計1課 二間瀨