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リ・デザイン

2017/9/15

 

今年の3月に竣工した 「ひよこのおにわ」 は認可保育所の中でも0〜2才を限定とした最大19名定員の小規模保育所です。

 

育児休暇をとったお母さん達が仕事復帰をするのが、子供が誕生日を迎える1歳の頃。

必然的に待機児童が1番多くなる0、1歳児の受入れを増やす為、福岡市も積極的に取り組んでいます。

今回、私はその担当をさせていただきました。

テナントを改修し保育園を作るという計画です。

 

hiyoko1

「 Re:design 」

 

今回、この保育園に私が掲げたコンセプトです。

最近よく聞いたり見たりすることも増えてきた

reuse(再利用) ・ reduce(発生抑制) ・ recycle(再資源化)

この保育園で少しでも実現出来ればと思い、お施主様のご理解を頂きいろんなことに挑戦してみました。

 

まず、保育室の中の壁には、一般的なビニールクロスではなく、卵の殻を再利用したクロスを使っています。

卵の殻には気孔といい、たくさんの小さな穴があり「胚」(はい:ヒヨコになる部分)の呼吸に必要な酸素を取り入れ、内部で発生した炭酸ガス(二酸化炭素)を排泄するガス交換を行っているそうです。

このクロスは、その卵の気孔から生活臭などの臭いを吸収したり、余分な湿気を吸収する働きをします。

保育園では、子供達の食べこぼしや、排泄物の匂い、それを拭くためのアルコールの匂いなど、以外と匂いを感じる事が多々あります。保育園独特の匂いに対しても、この壁が機能してくれるのではないかと思います。

 

eggtail

 

保育室の中の手洗場の壁、ここにも卵の殻を再利用したタイルを使用しています。

このタイルはバスマットとしても商品化されているタイルで、水気を吸収してくれるので水回りにはもってこいです。

キッチンパネルだと味気ない所を、機能をもったアクセントウォールにすることで、手を洗う事が楽しいと思って貰えるような工夫をしました。

0〜2歳は床や壁などに触れる機会も多い時期です。

毎日触れるものだからこそ、自然素材で子供達に優しいもの、そしてなるべく本物を使うように心がけました。

 

建物を再利用し、再利用した素材を使いながら、体にも優しい保育園。

この保育園の中にある色や形、すべての要素が子供達の発見の種になることを願っています。

 

 

設計部1課 木谷

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