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建築と都市を考える

2012/11/22

 

気付いたら今年も残り1ヶ月少しとなりました。

官公庁の仕事に関わる事務所ですので、これから年を明けて年度末に向け大詰めを迎えます。改めて気を引き締めて、仕事に邁進していかなければならないなと思っています。

 

そんなことを思いながら毎日仕事をしていますが、時間を見つけては建物見学や関連講演会、展覧会に行くようにしています。

2ヶ月以上も前のことですが仕事の合間を縫って、連休にこっそり1人で県外に旅に出ました。

場所は、8月に広島市、そして9月に大阪市です。

主な目的としては、建築を観ることに加え、3.11東日本大震災後の大きく変化しつつある日本の都市に対して建物をつくることがどんな意味を持ち、どんなことを考えて建物をつくっていくべきなのかを勉強するため、宿泊先も決めずiPhone片手に飛び出してみました。

 

まず広島なのですが、建築家丹下健三の広島平和記念公園、谷口吉生の広島市環境局中工場、大高正人の基町高層アパートを中心に10件を超える建物を回ってみました。

 

写真1/上:広島平和記念公園、左下:広島市環境局中工場、右下:基町高層アパート

 

特に見たかったのは広島平和記念公園で、公園内を歩き回りこの場にどのような思いが込められているのかを考えました。

丹下氏の平和記念公園は原爆ドーム・慰霊碑・資料館を結ぶ南北軸を計画し、平和記念資料館をピロティで持ち上げることで門としての意味による軸の強化と、人間の尺度に対して社会的人間の尺度をピロティの高さ設定により表し記念公園としてのスケールの大きさを建築によって伝えています。

 

私は未だ被災地を訪れていないのですが、「原爆ゼロ、原発ゼロ」と書かれた垂れ幕が置いてあり、1人の日本人として色々考えさせられました。

 

次は大阪なのですが、フランスの建築家ドミニク・ペローの日本唯一の作品である大阪富国生命ビルを筆頭に、大阪ステーションシティ、隈研吾の朝日放送新社屋と開催3回目となるDESIGNEASTというイベントなどを回りました。

 

写真2/左:大阪富国生命ビル外観、右:内観アトリウム

 

DESIGNEASTは学生の時から行ってみたかったイベントで、今回は2日目に「日本列島の状況:建築・建築家・都市をめぐる批評と予言」というトークイベントがあり、夕方17時から23時を超えるまで議論がされました。

?日本/地方都市/縮小という3部構成にテーマを分け、建築家2名ずつのレクチャーと最後に参加建築家によるディスカッションという内容でした。

大阪ステーションシティを始めとするJRプロジェクトが与える影響、学校建築を学生・住民・役所員を巻き込み設計する方法、現代都市のための近代都市づくりの問題提起、震災復興に建築家として関わる意味、縮小社会においてシェアを民間事業として行う重要性、などなど…

 

全てに共通するキーワードとして「ソーシャルデザイン」が挙げられました。建築を通して都市環境を変えるためにできるデザインとは何か、答えがないというか難しい内容で会場の反応も・・・でした。

ただ、着目するものは違いますが、最終的な目的は各建築家とも近いのではないかと思いました。

 

写真3/左:大阪ステーションシティ、右:?DESIGNEAST開催場所

 

それぞれの内容については長くなるので割愛しますが…、個人的には建築と都市をめぐる内容としては充実でした。

我々地方組織事務所として少し大きな建築をつくることは、良くも悪くも都市の環境を新しくし、人々の生活を変える力を持っていると思います。ですので、人それぞれによって考えは違いますが出来るだけ良い環境がつくれるように、建築と都市をつくっていきたいと思います。

 

今のところ事務所で一番若い私(笑)のかなり個人的な宣言みたいになってしまいましたが、色々と探求しながら仕事に励んでいきたいと思います。

 

設計部:井田

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