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竹田城を訪ねて

2015/8/5

2年前の11月に、社内旅行で、岡山市や瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」、そして高松市を旅したことがあります。

初日は岡山市に宿泊、夕方までは自由時間でしたので足を伸ばして、兵庫県朝来市にある竹田城跡まで一人で訪ねること

にしました。竹田城は九州の人にはあまり馴染みが無く、竹田城と言えば大分県竹田市にある「荒城の月」で有名な岡城を思

い浮かべてしまう方が多いと思います。実は私もその一人で、竹田城を知るきっかけとなったのは高倉健の映画「あなたへ」

を見たからです。亡くなった妻から届いた絵葉書に書かれていた「故郷の海に散骨して欲しい」という想いを叶えるために、

富山から平戸に旅する途中に竹田城に立ち寄るというシーンがあったのですが、岡城のことだと思ったので、ルートを外れて

いるようで不思議で、調べてみて初めて兵庫県にある竹田城の存在を知りました。

竹田城はネットの中ではとても有名で、現存する山城の遺構としては日本屈指の規模で国指定史跡でもあり、秋口から初冬

に発生する雲海が城址を幻想的に見せることから、「天空の城」あるいは「日本のマチュピチュ」と呼ばれているそうです。

そうとわかると一度行ってみたくなり、岡山まで行くのを機会に訪ねることにしたわけです。新幹線で岡山駅を通過して姫路駅

迄行き、JR播但線に乗り換えて寺前駅まで約50分、更に和田山駅行き列車に乗り換えて約45分かけて竹田駅に着きまし

た。

竹田城は駅から見上げると山頂に見えるのですが歩くと小一時間かかると聞き、タクシーに乗ることにしました。約10分程で

中腹の駐車場に着き、そこから徒歩で約20分、汗をかくほどの急な坂道でした。城址跡に到着するとそこからの景色は雲海

こそありませんでしたがネットで見た絶景そのままでした。

NHKの大河ドラマ「黒田官兵衛」が放映されていた時期で、人気の観光地ということもあって多くの観光客が登ってきていま

した。

竹田城は最初に但馬守護大名山名宗全が築城しましたが、豊臣秀吉の二度にわたる但馬征伐により山名氏は滅亡し、その

後城主は何代か変わって現在残る城址を築いたのは赤松広秀という武将でした。石垣の積み方は織田信長の安土城と同

じ、近江穴大衆(あのうしゅう)の手による穴大衆流石積み技法が用いられてるそうで、天守台を中心に建物は放射状に配さ

れ、その姿は虎が伏せているようにも見えることから、別名虎臥城(とらふすじょう)とも呼ばれており、今でも当時の威容を

そのままに誇っています。

しばらくこの城にまつわる栄枯盛衰の歴史に思いを馳せ、二度とこの地を訪れることは無いだろうと思いながら夕暮れと共に

帰途につきました。

途中乗車した寺前から竹田駅までの播但線は2両編成で、線路脇の草木を掻き分け山あいを縫うように走る列車です。

同じ車両に乗客は私一人だったり、行商のおばあさんが乗ってきたり、丁度、高倉健の映画を思い起こさせるような、どこか

懐かしく風情のある旅でした。

設計部 松島

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