新たな視点が生まれる場
2020/2/28
大分にて開催された[磯崎新の謎]展に行きました。
△[磯崎新の謎]展
磯崎新氏は60年に及ぶキャリアの中で、
何百もの建築物やプロポーザル、そして多数の著作を発表した建築家で
昨年3月には「建築界のノーベル賞」と知られるプリツカー賞を受賞しました。
建築のみならず、思想や美術、デザインなど多岐にわたる分野で活躍してきましたが、
キュレーションや芸術的コラボレーション、インスタレーションなど、
その実験的な作品はよく知られているわけではありません。
△エンジェル・ケージ 包含関係の逆転するデザイン
都市計画や建築にこうした「第三空間」とも言える部分に光を当て、
その思考を「いき(息)」と「しま(島)」の二つのテーマで構成されており、
「いき」篇では、70~80年代にかけて発表されたインスタレーション作品や
キュレーション活動を中心に、磯崎氏の創意的工夫を感じることができる展示でした。
△秋吉台国際芸術村ホール なぜ人は「前」を向いて聴くことを習慣化してしまったのか
一方の「しま」篇では、「孵化過程」「大阪万博 お祭り広場」「海市計画」など、
活動初期の60年代から現代にいたるまでの都市計画についての展示でした。
△パラディアム
△孵化過程 無限に生成するかにみえる混沌のエネルギーが融解し、凝固して….
学生時代から磯崎氏の著書は難しい印象を感じていましたが、
再現模型が体験型となっており、謎かけ的なタイトルに反して資料も多く、非常に興味深い展覧会でした。
「磯崎新の謎」展と題したこの展覧会は、魅力的な芸術家の思想へ新たな光を当てた物となっており、
建築の在り方を深く考える機会となりました。
設計部 姫野