新青果市場卸売棟他新築工事 類似施設視察
2012/8/20
匠建築研究所では、福岡市新青果市場の設計を行います。
市内青果部3市場を統合し、湾岸機能直結でアジアを視野に入れた集散型拠点市場・高度物流機能市場づくりを目指した、
施設面積約10万㎡の広大な施設です。新青果市場の設計に伴い、東京、郡山の市場の視察に行ってまいりました。
まず最初に視察したのは、東京都中央卸売市場大田市場です。
東京の市場といえば築地市場が有名ですが、築地市場は水産物の取扱量が世界一であり、
こちら大田市場は青果及び花の取扱量が日本一の市場です。
建物の妻飾りは野菜や鯛のオブジェで作られています。
従業員が建物位置を間違わないようわかりやすい表示で示してあります。
取扱量が日本一なだけあって、施設内もとにかく広かったです。
視察の時間帯が午後だったので、ほとんど品物はありませんでした。通常、朝6時頃にはセリも終わっているそうです。
市場内には、従業員向けの店舗が複数あります。
写真の喫茶店や食堂・雑貨屋・床屋などのほか、歯医者まであるそうです。ひとつの町のような場所になっています。
築地市場の近くに宿をとったため、翌日は早朝5時(!)に築地市場に行ってきました。
言わずと知れた卸売市場の「代名詞」築地市場です。
左:マグロの頭その他数千種類の水産物がターレ(運搬機械)で運ばれます。
水しぶきが乱れ飛び、ターレが行き交う市場内を縫うように見学しました。
中:早朝5時にも関わらず、外国人観光客が大勢見学に来ていました。市場が観光名所になっているのですね。
右:築地市場内の有名な寿司屋です。ここで朝食を食べようと意気込んできたのですが、朝5時でこの行列。
上には上がいるものです。参りました。ホテルの朝食を抜いてきたのに・・・。
最終日、東京から移動し、郡山市総合地方卸売市場を視察しました。
開場が平成14年の新しい卸売市場で、施設の特徴として、敷地内に緑を取り入れ自然換気システムを採用するなど、
環境や景観に配慮しています。またLANシステムを整備し、生産性・品質管理・衛生面の体制が整えられています。
卸売市場の施設玄関(写真上)、守衛室(写真下)です。
カーテンウォールのファサードや、コンクリートの打放しで仕上げられています。
施設内でマグロの解体が行われていました。
視察を終えて、郡山市場は「市場の朝市」と題して市場を一般開放しているなど、各市場も卸売市場を観光資源として
位置付けており、今回設計の新青果市場の目指すところではないかと思いました。
これを踏まえ、魅力ある施設を設計していきたいと思います
設計部:上野